2018年7月11日水曜日

市議会レポート(33)

6月議会発言(要旨)その④
国は原子力規制委員会のモニタリングポスト撤去の決定を撤回せよ!

「モニタリングポストの継続配置を求める意見書」を国・環境省に意見書を提出する議員発議案を提出しました。残念ながら、わずか1差で否決でした。反対した議員は、ことの深刻さを本当に理解しているのでしょうか。これも討論したのは私だけ。反対するのなら正々堂々と発言したうえで反対するべきです。政治家なのですから。下記、私の発言(要旨)を掲載します。今回で6月議会での発言掲載は終わります。次回は9月議会です。
モニタリングポストとは、大気中の放射線量を継続的に測定する据え置き型の装置ですが、福島第一原子力発電所事故後、国は、福島県及び全国の自治体に増設しました。しかし、原発から半径 30キロ圏内で台数が「足りる」と答えた自治体は20%台に留まっているのが現状です。

にもかかわらず、環境省の外局組織である原子力規制委員会が福島県内設置のモニタリングポストについて、避難指示が出た12市町村以外にある約2400台について、2021年3月末までに順次撤去することを決定しました。

撤去の理由としては「線量に大きな変動がなく安定しているため、継続的な測定の必要性は低いと判断した」とされています。 しかし、発議文にもあるように福島原発事故の廃炉は、今後、数十年かかる見込みであり、その間の事故や天災などにより再び放射性物質が周辺に拡散する可能性は否定できません。

何よりも原子力緊急事態宣言は解除されていません。原子力規制委員会の決定は、原発被害を風化させるものであり、現実を無視した判断です。

また、原子力規制委員会は「福島県及び県内市町村への意見照会を経て必要な見直しを行う」と言いながら、その意見照会で福島県及び27市町村のうち、97%の1町を除く27県市町村が「継続設置を求める」意見を提出しているにもかからず、その意見を無視して撤去方針を継続しています。

私は、5月に30人の八千代市民とともに福島県の富岡町~大熊町~双葉町~浪江町のルートで現地視察に行ってきました。 現在も5万人以上の市民が避難所生活を強いられています。当時、瓦礫の山だった富岡駅は再建されましたが、駅前に人影はありませんでした。

バスで国道6号線を走ると、道沿いの住宅、商店、会社、学校など帰還困難区域が延々と続き、人影はありません。まさにゴーストタウンです。7年前の震災時と変わらぬ景色が続きます。計測器で計ると高めの放射線を示していました。

そして、いたるところに汚染廃棄物や汚染度のフレコンバックが延々と山積みされていました。 ことは、モニタリングポストだけではありません。驚いたことに、環境省は除染で集めた「汚染土」を農地造成に再利用する方針を決定したのです。 飯館村では今秋には実際に着手する見込みです。

以前は、放射性廃棄物の再利用の基準値は1キロ当たり 100 ベクレルでした。今や 8000 ベクレルのものが身近な道路や防波堤の盛り土など公共事業用に、また 5000 ベクレル以下であれば農業用に全国的に再利用されることになります。 国民の命と健康をなんと心得ているのでしょうか。

そうやって、政府は福島原発事故を、もはや過去の遺物化したい思惑があります。それは、政府が今夏の閣議決定を目指す「第5次エネルギー基本計画」にあります。

計画では「原発割合い20~22%。核燃料サイクル政策は維持し、原発輸出も積極的に進める」と発表。原発を「重要なベースロード電源」として、従来計画の位置づけを維持。原発推進という従来の姿勢を崩していないといいます。

しかし、そうなると原発を30基は稼働する必要がありますが、むりやり再稼働させた原発でも現在9基。現実を無視した無茶苦茶な計画であります。 忘れてはなりません。原子力緊急事態宣言は解除されていないことを。

4月16日には「モニタリングポストの継続配置を求める市民の会」が182団体の賛同を得て、原子力規制委員会に継続配置を求める要請書を提出しています。また、5月28日の河北新報によれば、伊達市、福島市、郡山市、いわき市、会津若松市、三春町の各首長が「撤去反対」の立場を明らかにしています。

福島原発事故の影響やその対応は、廃炉作業が継続し、放射性廃棄物の対応が未完了で、多くの被災者、避難者が残っている間は全く完了していません。

そして、八千代市においても、福島第一原子力発電所事故により市内にふりそそいだ放射性物質を含む土壌などを中間貯蔵として小中学校の校庭や公園の地中に埋設しており、放射線量の定点観測などを継続して行っており、原発事故による影響やその対応は全く完了しておりません。

以上の点から、本発議案は願意妥当であり、福島県におけるモニタリングポストの継続配置を求める意見書を国・環境省・原子力規制委員会に対して提出する本発議案が賛成可決されることを強く求めます。

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