2015年2月26日木曜日

市議会レポート②

~3月議会が始まりました~
新年度予算案では「住み続けたいと思えない八千代」へまっしぐら!

2月24日から3月議会が始まりました。初日は秋葉市長から施政方針と34件の議案説明がありました。19日に新年度の予算案が示されていましたが、「歳出超過」を理由に大幅な市民負担増・市民サービスの切り捨ての内容であり、秋葉市政のスローガンである「住み続けたいと思える八千代」とは全く逆行するものです。このままでは「住み続けたいと思えない八千代」になってしまいます。

一般会計は560億1800万円で、前年度比6.8%減、41億891万円の減。特別会計では国保、介護、後期高齢者医療、墓地事業など前年比20.8%増。公営企業会計では0.8%減(ただし、この先に下水道料の値上げ予定)となっています。また、歳出では新川計画による建設が終了し、普通建設事業費31.2%減などを始め、全体的に抑えられていますが、全体の予算規模は1045億9304万円。前年比20億276万円増で、2.0%増となっています。

秋葉市長は「今まで削減しなかったものを廃止しなければ予算が組めない状況(千葉日報2月20日版)」と発言し、民意不在の市政を強行しようとしています。その言葉どおりに、国民保険料・介護保険料は値上げ。高齢者・障がい者の配食サービス、ふれあいプラザ団体送迎バス、フリーパレット、集会施設管理運営補助金など18事業を廃止。市民活動団体支援金、保育園運営費補助金、難病者救援金などは減額。また、時間外保育料、学校開放体育館、公会堂使用、総合運動公園駐車場など、無料だったものが軒並み有料化。その他にも様々な市民サービス低下が強行されようとしています。「ここまでやるか」というのが素直な感想です。八千代市民は、たまったものではありません。

千葉日報は「事業仕分けなど反映(2月20日版)」と論評していますが、認識不足です。実際、仕分け人が「要改善」と判定しているのに廃止になっている例があります。市の担当に問いただしたら「あくまで参考」と答えており、これでは何のための「仕分け」だったのか。図書館ワークショップも同様で、「市民参加」という秋葉市政の謳い文句が単なるアリバイ作りであることは明らかです。

秋葉市長の肝煎りで、有識者会議による「公共施設に係る提言」が作成されましたが、これは秋葉市政のバックボーンになっているはずです。提言では新川ハコモノ事業の見直しが言及されています。しかし、八千代市の財政リスクの大きな理由となっている新川ハコモノには一切手を触れず、市民負担を強いるに至っては、「キック・オフ」などと軽薄なネーミングで「財政リスク回避」を謳っても、「自称・市民派市長」は欺瞞であり、豊田前市長とどこが違うというのでしょうか。3月3日は、私も一般質問に立ちます。

2015年2月8日日曜日

なにやら四方山話⑦

中野晃一さんの講演を聞いてきました

去る2月7日に、千葉市で千葉県弁護士会が主催した講演会に行ってきました。演題は「集団的自衛権を国民は支持したのか」で、講師は中野晃一さんです。会場は満席でした。

中野さんは、1970年生まれ。東大、オックスフォード大卒。現・上智大学国際教養学部教授。96条の会、立憲デモクラシーの会、特定秘密保護法に反対する学者の会などでも活躍中。著書多数の政治学者です。

さて、内容は集団的自衛権に絡めながら、選挙制度と立憲主義についてでした。固いテーマながら弁舌鮮やかに、しかも分かりやすい説明で飽きさせません。

まず、戦後70年。冷戦後四半世紀の世界情勢は、国民国家・領域国家が空洞化されているとし、一見もっともな「ナショナリズム」をまとったグローバルな寡頭支配が拡散することにより、自由な議論で物事を決めてゆく民主主義も空洞化する代議制の危機を訴えていました。

また、選挙独裁という問題にも触れ、日本にも選挙独裁の現実があることを統計で説明。自民党が民主党に敗北して下野した時よりも、以降のほうが得票率は低いのに政権を奪還し、維持している。小選挙区制によるもので、それは多数派支配のふりをした小数派支配の選挙制度であることは明確なのに、当時の旗振り役だったマスコミは殆どが沈黙していると。

そして、「昨年末の解散総選挙は解散権の乱用であり、立憲主義の軽視。そもそも解散は『総理の専権事項』でもなんでもなく法的根拠はない」と強調。しかも、「集団的自衛権」や「特定秘密保護法」も選挙時の公約にはなかったことも、あらためて指摘しました。選挙の時だけ耳障りのいいことを言って、「終わればこっちのもの」と国民不在の好き勝手。本当に許せません。

その後の話は1990年代の「国際協調」「国際貢献」の名のもとに湾岸戦争などに動員する「新自由主義」と「ナショナリズム」。2000年代の右傾化と社会的基盤を欠いた政権党交代の限界による民主党政権崩壊。そして岸信介の亡霊に取り憑かれた安倍右翼政権の再登場について。以上、長くなるので要約のみとしますが、おそらく中野さんが一番言いたかったであろう言葉を氏の最近の著書(共著)である「集団的自衛権の何が問題か」(岩波書店)から抜粋します。

「デモクラシーとは(中略)民衆の力である。安倍政権の強行する集団的自衛権行使のための解釈改憲に抗することができるか否かは、グローバルな規模で拡散しようとしている寡頭支配に対して日本の民衆の力が立憲主義の歯止めを掛けるために手を携えて立ち上がることができるか否かにかかっている」。