2020年7月8日水曜日

市議会レポート(44)

6月議会報告
コロナ禍から市民の健康と生活を守る行政を!中小・個人事業主への経営支援策の拡充を!
注)「市政レポート21号」より一部を転載して議会報告とさせていただきます。

予断が許されない新型コロナウイルス禍 
新型コロナウイルスは世界保健機関(WHO)が3月に「世界的流行(パンデミック)」と発表して以来、感染者は世界で554万人を超え、死者も34万人を超えています。日本国内でのコロナ感染者数は16744人、死者が870人(5月27日現在)となっています。全国の緊急事態宣言は解除されましたが、予断は許されない状況です。また、経済的にも「リーマンショック以上」と言われており、世界経済が大きな影響を受けています。

安倍内閣によるコロナ対策の失敗と国民の批判の声
しかし、司令塔であるはずのアベ内閣のコロナ対策は国民から批判を浴びています。まず実施した「アベノマスク」と揶揄された一世帯2枚のマスク配布。当初は466億円という驚く金額が示され、批判されると「実は90億円」と釈明。差額はどうなるのでしょうか。そのマスクも配達が遅れに遅れて「いまさら、いらない」という声ばかり。一律給付金も混迷の末、一人10万円給付となったものの「5月には給付」と言ったのに6月になっても振り込まれず「いつになるんだ」と怒りの声が続出。支持率が下落したのもうなずけます。

「コロナ失業」 が2万人超え。国はさらなる支援策を!
この間、解雇や雇い止めも急増しています。いわゆる「コ ロナ失業」も分かっているだけでも2万人を超えています。しかし、政府の示した対策は希薄なものでした。「これでは生活できない」「会社がもたない」という国民の声に、政府も32兆円の第2次補正予算を決定しました。これも国民の声によるものです。まだまだ不十分ではありますが、公的支援制度を積極的に活用しましょう。

やっと始まった八千代市のコロナ支援事業
国や県の支援制度は申請が煩雑で時間もかかり、主に融資なので返済もあり、経営再建を厳しくしています。そこで多くの自治体が独自支援策を推進しています。20万都市であり、千葉県で7番目に大きな自治体である八千代市は後れをとってきましたが、去る5月20日の臨時会、6月議会では、市民の声や議会の要請に押されて腰の重い服部市長がやっと八千代市独自のコロナ支援策を提案してきましたが、まだ市民ニーズに応えているとは言えません。

5月臨時会・市の主なコロナ支援案
第2回定例会としての6月議会の前に緊急性のある議案が市から提案があり、5月20日に臨時会が招集され、主に左記のコロナ支援事業が提案されました。
①新生児新型コロナウイルス感染予防助成金(1万円支給)
②ひとり親家庭緊急支援事業臨時給付金(3万円支給)
③八千代市中小企業経営支援金(1月~7月で、ひと月の売上げが前年同月比50%以上減少の事業者に10万円給付
④医療従事者らに防護服3000セット配布

6月議会・市の主なコロナ支援策案
6月1日からは6月議会が開会。主に左記のコロナ支援事業が提案されました。
①臨時会提案した中小企業経営支援金10万円に5万円上乗せして15万円支給する。
②市内45ヵ所の避難所にマスク、非接触赤外線体温計を備蓄する。

三田議員ら5議員が組み替え予算案を提出
コロナ禍による厳しい生活環境のなか、とりわけ中小事業者はコロナ禍により深刻な経営危機に陥っており、結果的に従業員の解雇や休業につながります。そこで、臨時会において、三田議員ら5議員で、左記の補正予算への組み換え予算案を提出しましたが、自民保守系会派、公明会派などの反対により否決となったのは残念でしたが、6月議会で5万円の上乗せを実現することができました。
〈組み替え予算案〉
①中小企業経営支援で、売り上げ「50%減」を「30%減」にして支援対象を拡大する。
②給付額を10万円から20万円に増額する。財源は財政調整基金から3億5,000万円を取り崩す。

持続性ある支援策が必要。財政調整基金の大胆な活用を
この間のコロナ禍による影響は社会経済に大きなダメージを与えました。職場、学校、家庭でも緊急事態宣言下で規制される毎日。商店街は活気を失い、倒産や解雇、雇い止めが増大して市民生活は厳しさを増しています。緊急事態宣言が解除されても市民生活や経済が回復するには時間がかかります。

問題なのは、今回の八千代市のコロナ対策費は今後、国から交付される地方創生臨時交付金で賄える額でしかないことです。とりあえず財政調整基金(いざという時に使う基金)から拠出しましたが、交付金は財政調整基金に戻される可能性が高いのです。つまり、市はコロナ対策のために身銭を切る気がないということです。

これでは市のコロナ対策のやる気が疑われます。緊急事態なのですから、財政調整基金の大胆な活用で、持続性ある支援策が求められます。さらに市民生活や中小事業者への支援強化が必要です。また、休校による生徒や学生へのフォローも重要課題となっています。八千代市議会には市民が安心して生活できる市政に向けて行政をチェックし、提案していく責任があります。

一般質問の無い議会~議会の責任放棄ではないのか 
コロナ対策で「三密の時間を短縮する」という理由で、5月臨時会と6月議会は議案審議のみで議員の一般質問が省略されてしまいました。議員は市民の代弁者であり、ましてや今回はコロナ禍に苦しむ市民のために、議員が一般質問で様々な提案や指摘をする重要な議会のはずでした多くの近隣議会では何かしらの工夫で議員の質問を実施しています。八千代市議会のやったことは議会の責任放棄と言えるのではないでしょうか。三田議員は無会派議員の立場から議会議長に「要望書」を提出して質問の実施を求めました。