2021年9月29日水曜日

市議会レポート(52)

 ~一般会計補正予算で唯一の反対議員に~ 

 総括審議で反対討論を行いました

本日、29日は9月議会の最終日であり、議案や請願などの賛否が決定されました。令和3年度八千代市補正予算として約15億9800万円の補正が組まれ、補正後の一般会計予算は約945億8700万円となりましたが、いま最大の課題は何と言ってもコロナ禍対策です。

今補正では経営支援として、15%売り上げ減には10万円給付するために約億1250万円が計上されましたが、肝心の生活困窮支援が皆無あることは大問題でした。

私は補正予算案に反対し、財政調整基金を活用した、コロナ対策支援事業のための修正予算案を議会して発議することを討論で訴えましたが、残念ながら原案に反対したのは私ひとり。八千代市政の現状と急務がなんなのかを理解できない八千代市議会の実態が浮き彫りになりました。ましてや、一部の保守系議員からヤジが出る始末でしたが、私は今後も不退転の決意で市民生活を守るために奮闘します。

以下、私の反対討論を転載します。

一般会計補正予算案・反対討論

議案第6号 令和3年度八千代市一般会計補正予算について、反対の立場で討論を行います。反対の趣旨を先に言えば、コロナ対策の予算が不十分であるということに尽きるわけであります。

9月以降は感染者が減少し、今月いっぱいで緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置を解除する政府方針が示されましたが、それでコロナ禍による生活困窮や経営難などを始めとする一連のコロナ禍問題が一朝一夕で解決されるわけではありませんし、社会活動や経済活動全体がコロナ禍以前に回復するのには、まだかなりの時間を要する思われます。したがって、今後も国や自治体によるコロナ対策事業が必要であることは言うまでもありません。

にも関わらず、政府はあらたなコロナ対策を議論するための国会を開かず、本日の総裁選後は首班指名選挙だけの国会が開かれ、すぐに総選挙に流れるという菅政権に多くの国民が疑問を抱いていることと思います。

さて、世界のコロナ累計感染者数は9月28日現在ですが、約2億3234万人、死者が約476万7000人と、いまだに感染収束には程遠い状況です。また、ワクチン接種による抗体の最も有効な期間は、2回目の接種から5カ月以内で、その時間を過ぎると、徐々に効力が低くなっていくとされています。

イギリスでは3回接種の接種を行うブースター接種が9月から開始されました。また、ワクチン先進国であるイスラエルでは4回目接種の検討が始まっています。日本でも医療従事者に対しては早ければ10月から、高齢者に対しては来年1月からブースター接種が始まる予定といわれておりますが、富山県では、12月から3回目接種を開始するとの報道がありました。が、全体的にはまだ時間のかかる話です。

ただし、いわゆるワクチン先進国のこのような動きについて、世界保健機関(WHO)は発展途上国に行き渡るワクチンが不足するとして、新型コロナワクチンを豊富に備蓄する富裕国に対し、年内のブースター接種を控えるよう呼びかけており、今後、不透明な部分もあります。

さて、日本の累計感染者数は、9月28日現在ですが、169万5457人、死者1万7515人。ワクチン接種率も2回接種率は、総人口の58%にとどまっています。

八千代市も感染者数が減少しているとはいえ、9月28日現在ですが、3735人となっており、県内ではたえず6番目の多さです。また、健康づくり課の統計によれば、4月の感染者は141人でしたが、8月の感染者は970人と約7倍に激増し、年齢別感染者は20才台から50才台までの若い層の感染が増加傾向にありました。

八千代市の2回目コロナワクチン接種率は9月27日現在ですが、65才以上は約85・8%となっているものの、12才以上64才以下の若い年齢層は、39.8%にとどまっています。

また、緊急事態宣言の解除による、気のゆるみから来る感染者の増加が危惧されており、リバウンドによる第6波の可能性を専門家も指摘していることを八千代市としても認識しておく必要があります。

さて、これまで健康に関する問題を指摘してきましたが、忘れてはならないのがコロナ禍による生活困窮と雇用問題などの市民生活と、中小事業主の経営難問題であります。

一般質問でも指摘しましたが、全国で仕事につけない期間が1年以上に及ぶ人は全失業者の3割以上を占めていることにみられるようにコロナ禍による生活困窮は深刻です。

八千代市においても、福祉総合相談室に限定した相談件数だけでも、令和2年は1906件で、前年度比2.53倍。令和3年度も8月までの統計ですが、583件となっており、コロナの影響がなかった令和元年度と比較すると8月での件数は345件と、早くも1.7倍になっています。相談内容も令和元年度では2番目だった「経済的困窮」が2年続けて1番目となっています。この点だけみてもコロナ禍で八千代市民が苦しんでいることがわかります。この数字はコロナ禍による生活困窮の一端に過ぎません。

また、帝国データバンクの調査によれば、資本金1000万円未満の小規模企業を中心に、法人および個人事業主の、いわゆる新型コロナウイルス関連倒産は9月27日現在ですが、2094件と右肩あがりの増加が報告されています。八千代市の小規模事業の経営者の方々も同様の苦労をされていると推察します。

本来、コロナ対策は国の責任であることは言うまでもありません。安倍政権、菅政権の3次にわたる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は八千代市には約20億3600万円交付されましたが、それでは足りないことは明らかでした。

しかし、今年度国会ではコロナ対策が政策化されていないことは大問題でした。だから地方自治体も積極的なコロナ対策事業ができなかったわけであります。

具体的には、昨年度に実施された市単独コロナ対策事業のなかで、生活支援事業の①1万円助成の新生児新型コロナウイルス感染予防助成事業②3万円給付のひとり親家庭緊急支援事業③10万円給付の新生児特別定額給付金給付事業。15万円給付の経営支援を再度実施するべきと考えます。

たしかに今議会での補正予算には中小企業者等経営支援金として、15%売り上げ減の事業者に10万円の給付のために4億1257万円が計上されていますが、それでは足りないことは明らかです。ましてや、生活支援事業なしというのは、コロナ禍の現状を認識していないとしか言いようがありません。

したがって、私は、コロナ禍における生活支援事業と経営者支援を積極的に組み込んだ補正予算を強く求めます。財源は財政調整基金を使うべきと考えます。

今回、財政調整基金に積み立てた12億3700万円のうち、10億円を財源として、すでに経営者支援として計上されている4億1257万円とあわせて約15億円をコロナ支援事業予算として補正予算化することを提案いたします。

昨年実施された市独自コロナ支援事業であった、①新生児新型コロナウイルス感染予防助成事業②ひとり親家庭緊急支援事業③新生児特別定額給付金給付事業の総予算は約1億5200万円。15万円支給の経営支援事業に約4億4400万円。これを合計すると約5億9600万円。それを今後2回実施しても11億9200万円です。残り約3億円は無料PCR検査などの感染予防対策費や、その他生活防衛予算として活用するべきであります。

それでも、財政調整基金には約32億円が残にので、基本ラインである標準財政規模のほぼ10%の維持ができており、無理のないプランだと考えます。

以上、議場の皆さんには、今補正予算案に反対し、議論したうえで、あらためて補正予算修正案の議員発議を行っていただくことを強く訴えて、私からの議案第6号反対討論といたします。


2021年9月24日金曜日

なにやら四方山話(70)

 ~関西生コン事件~

ゼネコン・検察・警察が一体となった組合つぶしを許すな!

「関西生コン事件」を取り上げた映画の第2弾である「棘2」が各地で上映活動が展開されています。かつて、杉浦弘子監督作品「棘~ひとの痛みは己の痛み。武建一~」として話題になり、その続編です。

去る9月23日には、千葉・京葉実行委員会の呼びかけで船橋市勤労市民センターホールにおいて上映会が開催され、コロナ禍にもかかわらず約160名の参加がありました。私も参加させていただきました。

さて、御存知の方も多いかと思いますが「関西生コン事件」とは、団交やストライキといった労働組合としては当然の活動をしていた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部にたいして、ゼネコンと検察・警察が一体となって組合つぶしを行った一連の事件です。

滋賀県警が2017年に組合員と生コン業者ら10人に「恐喝未遂容疑」をでっちあげて逮捕。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が1019年に11の刑事事件をでっちあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕したのです。

いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める活動など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。

組合の中心であった武健一委員長には、7月に懲役3年・執行猶予5年の不当判決が下されました。

余談ですが…。もう36年も昔のことですが、私がまだ若い頃、勤めていた中小企業で、労基法も守られていない劣悪な労働環境の改善を求めて労働組合を結成。私が委員長となりました。その時のスローガンが「会社は労基法を守れ」という極めて当然の要求でした。

組合の呼びかけに社員の過半数が組合に加入しましたが、結成通知を渡した翌日から露骨な組合つぶしが始まり、不当労働行為攻撃の連続。地域の労組仲間とともにストライキで対抗。ついに労働争議になって、裁判など、苦労した思い出があります。(いろいろあって今は市議をやってますが)

とりわけ70年代以降は大手労組も、官公労労組も労使(資)の馴れ合いになり、日本の労働運動は危機的状況となって久しいのですが、いまや、「当たり前の労働運動」をした組合は組合つぶしや、「反社」扱いになるのです。その先鋭化した事例が「関西生コン事件」です。労働者の当たり前の権利を守るためにも「関西生コン事件」を許してはならないと思うのです。


2021年9月19日日曜日

市議会レポート(51)

2021年9月議会で一般質問を行いました

8月30日~9月29日まで八千代市議会第3回定例会(9月議会)です。去る9月8日に一般質問を行いました。議員になって皆勤で質問しているので、通算27回目の登壇となります。今後も議員でいる限りは必ず登壇します。要旨ですが、当日の発言内容を10月初旬に発行予定の「市政レポート26号」から転載して掲載いたします。

コロナ禍から市民の命と生活を守るための積極的な対策を

県内6番目に多い感染者数。市民の不安の声に市は応えているのか

9月以降は、減少傾向にあるものの、全国の累計感染者数は約160万人、死者は約1万7000人と事態は相変わらず深刻です。八千代市も累計感染者数が3700人を超えており、県内6番目の多さです。八千代市の高齢者のワクチン2回接種率は約85%ですが、64才から12才までの若い年齢層の2回接種率はわずか17%(9月末現在)と遅れています。

また、「いま八千代市はどうなっているのか」という市民の声に「県が掌握しているので」と限定的な情報提供しかできない市への不安の声も広まっています。市は、市民への丁寧な現状報告と情報提供にもっと努めるべきです。

入院できず自宅療養者が激増。服部市長は臨時医療施設開設を国・県へ要請せよ

とりわけ深刻なのは医療崩壊への危機といわれている事態です。入院したくても入院できない自宅療養者数は全国で急増しています。そこで三田議員は、県内主要自治体で複数の臨時医療施設の開設を提案し、国の窓口である熊谷知事に要請することを求めました。

福井県では体育館を利用して医療資源を集中活用して成果をあげています。県は、2月に千葉県がんセンター旧病棟に開設しましたが、病床数は最大で66床と、全県レベルの感染者には到底対応しきれません。ここは服部市長が20万都市の市長として、あるいは近隣市長とも連携して動くべきです。

コロナ禍で苦しむ生活困窮世帯、失業者、中小事業主に継続的支援を

総務省の労働力調査によると、失業者233万人のうち仕事につけない期間が1年以上に及ぶ人は74万人で3割以上を占めています。

八千代市においても、福祉総合相談室への相談件数は令和2年が1906件で、前年度比2・53倍。相談内容も「経済的困窮」が1番目となっていることからもコロナ禍による生活困窮世帯の実態が如実にあらわれています。また、商工リサーチ調査によれば、コロナの関連破綻が続き、全国で1820件が倒産となっています。

財政調整基金に蓄える決算剰余金12億円をコロナ禍による生活困窮支援と経営難支援に活用を

ところが、昨年度に実施した、コロナ禍による生活困窮支援、経営者支援事業が今年度は皆無でした。9月議会では中小企業経営支援事業として売り上げ15%減の事業者に10万円の支給が予定されていますが、これでは足りませんし、生活困窮世帯への支援は相変わらずゼロです。

では、予算がないのかというとそうではありません。9月議会では、決算剰余金などから財政調整基金(必要な時にいつでも使える貯金)に12億3700万円が積み立てられ、財政調整基金の合計額は40億1800万円となります。

三田議員は基金を取り崩して、今期補正の経営者支援4億1250万円とわせて15億円をコロナ支援事業として予算化することを強く求めました。そうすれば、昨年度に実施した生活支援や経営支援の継続、または新規支援事業が積極的に取り組めるはずです。

服部市長が市庁舎整備計画の見直しを公言するも不明瞭。早急な耐震対策こそが急務だ

歴代市長の思惑で迷走を続ける市庁舎整備計画

市庁舎建て替え計画は昨年9月から「コロナ禍の収束まで」として基本設計完成後に延期の方針が示され現在に至っていますが、ここにきて服部市長は9月議会では見直しの意向を明らかにし「新市庁舎のコンパクト化」の方針を示しました。ただ、まだ漠然としており、「基本設計を見直すので基本計画も見直すことになる」ということが分かっただけです。

このように市庁舎整備計画は、豊田市政(耐震化工事)→秋葉市政(建て替え)→服部市政(建て替え)→服部市政(コロナ禍収束まで延期)→服部市政(コンパクト化へ見直し)と迷走を続けています。

いつ来るか分からない大震災。早くて安い耐震化工事を

しかし、忘れてはならないのは、市庁舎が耐震不足なのに大震災はいつ来るか分からないということです。ただでさえ延期で遅れている耐震化対策は待ったなしのはずです。

かつて佐倉市が耐震不足の市庁舎の整備手法を建て替えではなく、耐震化工事をいち早く選択した理由は「いかに早く市民や職員の安全安心を担保するのか」という発想でした。八千代市も同様に考えるべきです。 また、国の「緊急防災・減災事業債」を活用すれば予算が減額(建て替えは対象外)できるので、早くて安い耐震化工事方針への再転換をするべきだと三田議員はあらためて提案しました。

高津川溢水対策工事がいつの間にか工事費50%増と工期延長。市民に丁寧な説明と情報共有を

いつの間にか工事費が16億5400万円も 増額。工期も延長

2013年10月の豪雨では八千代1号幹線沿いの浸水被害は、住居や乗用車などに甚大な被害がでました。そこで溢水工事が開始されました。これは必要な事業です。しかし、工事予算の当初予算は33億2900万円でしたが、3度の予算変更があり、すでに16億5400万円が増額されており、実に50%増の合計49億8300万円となっています。(別表参照)また、今年度で工期終了の予定が流下型貯留管(シールド)工事の遅れを理由に来年度までに延長が予定されています。

事後報告ではなく、市民に丁寧な説明と情報共有を

市側によれば工事費の増額理由は「特殊工法や、より効果の高い地盤改良が必要となった」とのことですが、当初の工事方法を変更したということになります。つまり、計画が甘かったのではないでしょうか。また、「オリンピック・パラリンピックによる資材や人件費の高騰」などを理由にあげていますが、オリパラがあることは最初から分かっていたことです。理由があるにせよ、5割増しの16億5400万円の増はひどすぎます。しかも工期も1年以上延長される見込みで、工事の完成を待っている沿線住民の期待を裏切るものです。

しかし、市側は「最小の費用で最大の効果が発揮できるよう、効率的な執行を常に念頭に置いて取り組んでいる」と反省の色もありません。三田議員は「市民の大事な財産である市税を軽く考えているのではないか」と猛省を求めました。

さらには工事による溢水効果についても問題があります。工事が完成しても床下浸水の可能性があるということです。したがって、床下浸水への対策と車の移動は依然として必要であることをどこまで市民に周知しているのでしょうか。

三田議員は「事後報告では市民の理解を得られない」と、事前に市民への丁寧な説明と情報共有を強く求めました。