2018年8月23日木曜日

なにやら四方山話(48)

「不登校生徒家族会・クローバー」の研修会に参加してきました

体験も含めて講演する中島氏
臨床心理士の奥田朋子氏
例によって情報発信が遅くなりましたが、去る8月18日に八千代市の不登校生徒の家族会である「クローバー」が主催する「子どもと親のためのメンタルヘルス研修会」に参加してきました。

この日は講師がスクールソーシャルワーカーの中島淳氏。テーマは「子どもを取り巻く現状と環境づくりについて」。

中島氏は、現状=子どもの抱える息苦しさは変わらない。環境づくり=個人の問題にしない。社会の在り方が大事。子どもとの付き合い方=一人ひとりを大切にする。という三つの原則を説明。

統計的には「いじめ」の認知件数約32万3800件。不登校の児童生徒数約13万5000人。自殺した児童生徒244人。児童虐待相談件数約12万2600件。就学援助などの要保護・準要保護児童生徒数約149万5000人。まさに深刻な数字です。

中島氏は問題点として①大人社会の余裕のなさ②教育現場の閉そく感③子どもを見る社会の目の変化。を挙げつつ、子どもとの向き合い方として①個別化=比較しない。その子を大切にする②受容=まずは耳を傾ける③非審判的態度=いったん受け止める。と説きます。なるほど、と思いました。

児童生徒の「不登校」は、大人になっても「ひきこもり」に繋がります。その数は100万人以上とも言われています。国も、やっと思い腰をあげて実態調査を始めていますが、遅すぎます。

私は6月議会で「不登校~ひきこもり」問題をとりあげ、対策事業の実施を要求し、市も、まずは実態調査を約束しました。一歩前進しましたが、これからです。この問題は、親や地域の力だけでは解決しきれない社会現象でもあります。中島氏の言う「社会の在り方」とは、国や自治体の責任と任務を意味するのだと思います。

2018年8月16日木曜日

不肖・三田登がモノ申す!(101)

許すな核軍備!めざせ核廃止!
「八千代市・原爆の絵展」が開催されました
少し情報発信が遅れましたが、8月11日~8月13日の3日間、八千代・原爆の絵展(八千代市:後援)が八千代市の勝田台ステーションギャラリーで開催されました。今年で8回目になります。


主催の八千代原爆の絵実行委員会に、私もスタッフとして参加してきましたが、今年はあいにく私の市政報告会と重なり、最終日しかお手伝いができませんでした。

おかあさんと一緒に来た少年。真剣に見ていました。
スタッフと。右端が私。
お盆休みでも会場には200名以上の来場者が。
ギャラリーが駅構内という立地条件もあり、毎年多くの来場者があります。戦争体験のある高齢の方や、お母さんに連れられて来た小さなお子さんもいました。

すべて一般市民が描いた絵ですが、体験者ならではの怒り、絶望、悲しみ、憤りが観る人の胸に迫ります。今回は絵の下に作者のメッセージが日本語と英語で記載されました。

今回、私が特に何度も観なおしたのは「助けてあげられなくてごめんなさい」という絵。

どんなに苦しく、辛かったことでしょう。
「下敷きになった子供を救出できないまま、校舎は火災につつまれました。ほおずりをしてあげられるほど、体はほとんど外に出ているのに、片腕が柱に押しつぶされて引き出せなかったのです。『もうすぐ楽になるからね』といって手をあわせました。」(原文まま)

なんという悲劇だろう

これからも継続すべき運動だと思います。

炎で衣服が溶けて火傷を負いながら裸で脱げる親子。

2018年8月4日土曜日

なにやら四方山話(47)

~第33回・戦争責任を考える千葉の集い~
五味洋治・東京新聞論説委員の講演を聞いてきました
熱弁をふるう五味氏
会場からの質疑は時間切れになるほど熱心でした

去る8月1日に「戦争責任を考える千葉8月の会」主催による「第33回戦争責任を考える千葉の集い」が千葉市文化センターで開催。東京新聞論説委員の五味洋治さんを講師に「朝鮮戦争の終結が意味するもの」というテーマで講演会があり、私も聞きに行きました。同会は、もう30年以上も真摯な活動を続けています。

さて、五味さんは、かつて故金正男氏の単独インタビューを成功させて話題になった記者です。五味さんの話は、学者にありがちな「自分だけが分かっている」のではなく、記者らしく基本的なことをとても分かりやすく語る人で、好感が持てました。

朝鮮戦争の経緯については、あらためて述べる必要はないかもしれせんが、1943年カイロ宣言~1945年ヤルタ会談で米英中ソ四ヶ国による朝鮮の信託統治。米ソ合意による北緯38度線分割占領に。ポツダム宣言後、1948年に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が建国。

そして、1950年6月、中ソの支援を背景に、北朝鮮軍が南進したことが契機に双方の攻防が繰り返され、1953年7月の板門店で休戦協定調印。現在も「戦争中」ですが、民間人も含めて500万人以上が死亡し、離散家族は1000万人といわれています。

まず、「なぜ朝鮮戦争が起きたか」について、五味氏は、カイロ宣言による「南北分轄統治」に対して北朝鮮が統一を目指したことがことに起因するとしています。背景には対米を意識した毛沢東・スターリンの意図があったということでしょう。

また、「何を残したのか」について、韓国→準戦時体制、軍事独裁、戒厳令、左右対立。北朝鮮→国内では戦争勝利と教育、金一族に権力集中。米国→軍備増強、反共主義、ベトナム戦争へ。中国→経済的混乱、大躍進政策と文化大革命の失敗。

そして日本は、朝鮮特需がありつつも、1950年にレッドパージ、陸上自衛隊の前身「警察予備隊」が作られ、戦争の補給基地に。そういう意味では日本も間接的加害者であるといいます。

さらに「朝鮮戦争が終わらない理由」について、①朝鮮国連軍の存在②有事のさい日本国内7つの基地から航空機や兵士が朝鮮半島を目指す③国連軍の存在は中国に有利。をあげています。

しかし、ここにきての「北朝鮮が対話を始めた動機、意図」について、①アメリカからの攻撃を恐れた②今後の経済制裁を懸念した③米中が協力して金正恩を放逐する計画を知った④トランプの交渉スタイルに希望を持った⑤金正恩の留学経験が影響。⑥分在寅政権の誕生。などを挙げています。

そして、最大の焦点である「終戦宣言とはなにか」について、①休戦協定を平和協定に置き換える前の政治宣言②板門店宣言では「年内に終戦」を検討③トランプ大統領も意欲。ただし米国は難色を示しているので今後の最大の焦点に。

また、「朝鮮戦争が終わると何が起こるか」について、①在韓米軍が不要に。大幅縮小②北朝鮮が経済発展に力を入れる③南北統一が現実味④韓国で兵役がなくなる⑤軍事境界線の開発が進む、など。しかし、一方で沖縄、在韓米軍の重要性が高まる可能性と自衛隊の関わりが強まり、憲法改悪が加速される可能性も指摘。

最後に「日朝関係はどうなるか」について、①「今は対話ではなく圧力だ」とする安倍政権は蚊帳の外②韓国、中国の支援も得られない③米国と日本の対北朝鮮政策は一致していない。

ただ「結局、直接対話しかない」という結論には、やや物足りなさがあり、もう少し話をふくらませてほしかった感がありました。また、非核化へのプロセスや、日本の責任と任務、金ファミリーの非人道的独裁政治をどう総括させるべきかという点なども聞きたかったところですが言及はありませんでした。でも大変勉強になりました。

まずは五味氏の講演の要旨を報告するにとどめます。

2018年8月1日水曜日

不肖・三田登がモノ申す!(100)

~自治体議員立憲ネットワーク・第5回定期総会~
今後の全野党共闘の在り方に課題が拡大している!

活発な議論が交わされました
左が川崎氏、右が李教授
去る7月30日、私も参加している「自治体議員立憲ネットワーク」の第5回定期総会が、永田町の衆議院第2議員会館において開催され、多くの議員や市民の会員が参加しました。

冒頭で日本共産党の小池晃議員、立憲民主党の福山哲郎議員、社民党の又市征治議員の野党3党(他は欠席)が挨拶。

総会では最初に活動報告がありましたが、気になったのが、各地からの報告で、共産党との関係がうまくいっていない(前回参院選で唯一の共産党統一候補がいた香川県でさえも!)事例や、共産党批判さえも出ていたことです。また、民進党が分裂したことも運動に影を落としています。

今後の全野党共闘の在り方に課題が拡大しています。これは、立憲ネットの大きな問題点であり、そもそも共産党が会員になっていない現状は素朴にして、しかし、大きな疑問であり、この問題を乗り越えなければ全野党共闘はかけ声にすぎなくなると思えるのです。

次に、運動・組織方針案が示され、自治体議員ネットワークの展望において①立憲主義・平和主義を両輪として闘い続ける①参院選で3分の1確保の闘いが重要③地域によっては市民勢力・野党勢力が分裂している(役員会も私の指摘と同様の認識をしているのだが…)。市民・野党連合の可能性と限定という新たな課題に直面している。④もう一度、立憲主義と平和主義を掲げて闘おう。と問題提起がなされました。

さらに、①統一自治体選挙に向けた取り組み②参議院選挙に向けた取り組み③憲法改悪・国民投票に向けた取り組み④沖縄との連帯⑤東アジアの平和構築に向けた取り組み⑥立フォーラム・平和フォーラムとの連携⑦会員拡大・対外発信の強化⑧各地の立憲ネットワークの独自的活動の強化。などが、運動の取り組みとして提起されました。また、会計報告、予算案、役員人事案も示され、全議案が了承されました。 

第2部は総会記念シンポジウムとして、李起豪・韓信大学教授と川崎哲・ICAN国際運営委員の講演と、その後のパネルディスカッションがありました。

李氏は「朝鮮半島の非核化と自治体議員外交イニシアチブ」をテーマに6月12日の米朝会談の意義と可能性、そして自治体の役割について講演。

また、川崎氏は「北東アジアの非核化と核兵器禁止条約」をテーマに条約の意義について、とりわけ第1条では「核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵など、いかなる場合でも行わない」とされており、「これはNPT(核兵器不拡散条約)にも無い内容だ」と解説。不参加の核保有国や、日本およびNATO諸国の参加をどう実現するかが課題ということでしょう。

川崎氏の話の前半で別件により退場したので、その後の内容を何かの折に確認したいと思っています。