2017年12月26日火曜日

市議会レポート㉗

「憲法改定に反対する意見書を提出することを求める請願」が不当にも採択されず!
採択を求める討論をしました!
請願の採択を訴える(ネット録画より)
12月議会が22日に閉会しました。今議会では3つの請願が市民から提出され、いずれも紹介議員となりました。そのうちの一つである「憲法改定に反対する意見書を提出することを求める請願」が、私が顧問を勤めている「安倍9条改憲NO!市民アクションやちよ 」から提出されました。

請願は「①憲法 9 条を変えないでください。 ②憲法の平和・人権・民主主義が生かされる政治を実現してください」の2項目。当然すぎる内容です。しかし、賛成10、反対15で不採択となりました。

国是の立憲主義を否定し、日本を戦争への道に突き進まんとする安倍政権を打ち倒す、国民的大運動に向けた取り組みが求められます。以下、私の討論内容を記載します。

三田 登議員・討論
請願第10号「憲法改正に反対する意見書を提出することを求める請願」は委員長報告では不採択でしたが、請願に賛成の立場で討論をします。

言うまでもなく、日本は立憲主義の国であります。立憲主義とは政府の統治を憲法に基づき、政府の権力が憲法の制限下に置かれていることに依拠するという考え方であり、立憲主義を前提とした民主主義、すなわち立憲民主主義国家、それが日本であります。したがって、時の政府権力の意向が憲法を上回ることは許されないはずです。

しかし、それを強行したのが安倍内閣による解釈改憲であり、安保関連法であります。当時の国会で、参考人として呼ばれた全員の憲法学者が「憲法違反だ」と明言し、世論調査でも約6割の国民が「憲法違反」と答えました。それにもかかわらず強行採決されました。

この間、安倍内閣は憲法改正、とりわけ9条改正をスケジュール化しようとしています。それは「自衛隊を合憲化する」もくろみのために、9条の「1項、2項を残し、その上で自衛隊の記述を書き加える」というものです。

しかし、9条2項には「陸海空軍その他の戦力は保持しない」「国の交戦権は認めない」と謳われており、同じ自民党の石破元幹事長でさえも「自衛隊を合憲化するうえで矛盾が固定化する」と批判しています。

さらに憲法改正に「教育無償化」を盛り込むことで問題の本質を曖昧にしようとしましたが、無理ということになり「努力義務を課す条項を設ける」案が検討されるなど、すでにメッキがはがれています。

また、「押しつけ憲法」だから「自主憲法」が必要だとの主張がありますが、「日本の国家体制を明治憲法の時よりもっと民主主義的に」というGHQの意向があったことは事実ですが、理由としては当然であり、日本側が自発的にのんで、それに基づいてつくられたものです。GHQが提案したものに対して日本側の要望を入れて、双方が協議してつくったものであり、「押しつけ憲法」ではないことは学術的にも認識されています。

問題なのは、時の政治権力の思惑で改憲をして、国是である立憲主義を否定しようとする、この間の動きです。

このような情勢を受けて、9月8日には、作家の瀬戸内寂聴さん、諏訪中央病院の鎌田實さん、東大名誉教授の樋口陽一さん、ジャーナリストの田原総一朗さん、作家の落合恵子さん、なかにし礼さんなど多くの文化人や市民によって、憲法9条改正に反対する「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が結成され、現在、9条改憲に反対する3000万人署名運動が全国的に展開されています。この請願もその趣旨に賛同する八千代市民たちの声であります。

今月に実施された時事通信の世論調査では、改憲の発議を来年1月の通常国会でおこなうべきかについて、7割近くが「反対」と回答しています。これが世論であります。

議場の皆さん。
戦後72年。日本が戦争の荒廃から類を見ない経済発展を遂げた原動力は、不戦の誓いを憲法に刻み、戦争と関わり合いを持たないことを実践してきたからに他なりません。

安倍内閣がいろいろ理屈をつけても、改憲案の中味は日本が戦後から、かたくなに守ってきた不戦の誓いを破り、戦争参加への道筋をつくるものであります。

なお、時々聞く、国への意見は地方自治の事務に馴染まないという見解がありますが、国政と地方政治は連動していることを考えるならば、地方からこそ国政にモノ申すべきであります。

請願にあるように、憲法を変えないことが「平和・人権・民主主義が生かされる政治」に帰結するということを最後に強調して討論といたします。


2017年12月20日水曜日

市議会レポート㉖

12月議会一般質問・報告(要旨)
三田議員が追求した3つの問題
一般質問する三田議員(ネット録画より)
問題1 市税のムダ遣いが多い「ふれあいの農業の郷」事業
「ふれあいの農業の郷」事業である、やちよ農業交流センターは「農業振興」を掲げて約10億円かけて建設。平成25年4月に営業開始され、来場者の当初目標は年間30万人と設定されていました。しかし、4年も経過してやっと目標の半分です。

また、テナントは農産物・加工品販売所が、なんと4年たった現在も出店予定がない状況が続いています。これだけでも4年間で約1750万円が水の泡になったことになります。集会室や実習室の利用率は2割にも届きません。また、4億円近くの費用で両施設を結ぶ歩道橋を建設したものの、当初から本当に必要なのかという疑問符がついていました。

しかも、平成25年の農業交流センター完成に伴い、廃止した農業研修センターは4年経過した現在も棚ざらし。まさに市税のムダ遣いです。

また、条例改正で来年度から、ふるさとステーションのテナント料が値上げされますが、農業交流センターは現状維持。理由も曖昧です。ちなみに農業交流センターの維持費は年間5千万円もかかります。

なお、農業体験、収穫体験の受付業務を無料で実施していることに「事業者からあっせん料を徴収すべきだ」との三田議員のかねてからの提案に、来年度から利益の7%をあっせん料として徴収することが決定。市の増収につながる改善をひとつ実現させることができました。

問題2 105億円庁舎の「建て替えありき」方針は見直すべき
市庁舎老朽化に伴い、平成22年に「本庁舎等施設あり方検討委員会」が設置され、平成28年に「まずは本庁舎の耐震補教及び大規模改修工事約30億円の予算で行う」ことが決定されていました。しかし、平成28年8月に秋葉市長(当時)が「約105億円(変更の可能性あり)の予算で建て替え」に突然のトップダウンで方針変更をしたのでした。

その後、服部新市政になっても方針はそのまま踏襲され、平成29年7月にアンケート調査を実施しましたが、たとえば市が実施したアンケートの説明文には「耐震補強の検討を行いましたが、課題の根本的な解決が難しいと考えます」など、明らかに「建て替え」へと誘導しています。これは市民の公平な判断を阻害するものです。

また、同年4月から、有識者による「庁舎整備手法専門会議」が開催されていますが、委員からもアンケートの誘導性が指摘されています。さらには、市は「建て替え」の理由として「鉄筋コンクリートの耐用年数は60年だから」としていますが、その根拠を日本建築学会発行の「建築物の耐久計画に関する考え方」に示されているとしています。

しかし、同書では60年とは断定していません。事実、千葉県は公共施設の更新費用等の負担軽減を図るために、鉄筋コンクリート造等の目標使用年数を建築後80年に延長する「長寿命化計画」を打ち出しています。財政難のおり、少なくとも現段階での「建て替えありき」方針は見直して、様々な視点からの庁舎整備の議論を市民も交えて議論を尽くすことが必要であることを三田議員は指摘しました。

問題3「公文書改ざん問題」を教訓化せよ
市民の告発をきっかけに、八千代市情報公開審査が平成27年9月29日に、「秋葉市長の主導により改ざんされた公文書の開示決定を無効」とする答申を提出したことに始まる、いわゆる「公文書改ざん問題」は、情報公開法が市民に保証する「知る権利」の侵害が問われた大問題でした。

司法判断では「市長の責任」は曖昧になりましたが、むしろ大事なのは、それをどう教訓化して「市民の知る権利」を保証し、発展させるかです。服部市長に見解を質すと「法令等に基づいて公明かつ適正に任務を遂行していく」などと、形だけのわずか30秒の答弁。重要な問題なのに「対岸の火事」の認識なのです。

三田議員は、有機的に情報公開問題にたずさわる部署が必要だとして「情報公開課」の設置を求め、また、百条委員会が再発防止策として提言している「文書管理条例」の制定を求めました。