2022年6月18日土曜日

市議会レポート(55)

2022年6月議会・一般質問を行いました

現在6月議会中で、24日の総括審議を控えている状況ですが、去る6月9日に一般質問を行いました。①八千代医療センター問題②市庁舎整備問題のふたつを質問しました。以下、「市政レポート」掲載予定の記事から引用して報告といたします。

八千代医療センターがこのままだと医療崩壊に向かう。病院誘致した市は問題解決への責任がある!

●医師不在で5科も診療科休止。転院を余儀なくされる患者たち

私に「八千代医療センターの休診が増えて困っている」という患者さんからの相談があり、前回の3月議会で一般質問を行いました。市の答弁では「医師の退職により、呼吸器内科と血液内科の2科が休診しているが、通常の範囲だ」という認識を示していました。

しかし、その後の私の調査により、現実には呼吸器内科、血液内科、糖尿病・内分泌代謝内科、リウマチ・膠原病内科、皮膚科の5科が休止していることが明らかになりました。しかも、それはだいぶ以前からであったことが分かり、いかに市が現状把握できていなかったことが明らかになっています。これらの現状を三田議院に追及されると、さすがに市も「業務に支障がある」と認めざるを得ませんでした。

●続出する医師・医療スタッフの退職。毎年黒字決算の医療センターに何が起きた

医師数は昨年の1月段階の常勤医師は214人。しかし、本年1月段階では189人と、さらに25人も減っており、さらに減る可能性も指摘されています。看護師などの医療スタッフも同様です。

では、なぜ医師らがすぐ辞めてしまうのでしょうか。それは「給料などの待遇が大学病院としては最低ランク」だからです。しかし、八千代医療センターは別表にあるように毎年黒字決算を続け、その額はほぼ右肩上がりです。したがって、財政が厳しくて人件費を捻出できないわけではありません。

しかも、市は開院した2004年から補助金交付を開始し、昨年度までで約92億5000万円の補助金と、無償貸与するために取得した土地約2万9000㎡の約15億円を足すと、昨年度までに約107億5000千万円を投入してきました。

このように、恵まれた経営環境にありながら、人員削減と低賃金、労働環境の悪化に嫌気がさした医師やスタッフが次々と辞めたことが原因でした。それにより最も迷惑を被ったのは何も関係ない患者たちです。新規患者は受け付けず、少なからぬ従来の通院患者は他の医療機関に転院を余儀なくされているのです。

●背景にあるのは女子医大本院理事長のワンマン体質と営利主義

八千代医療センターは独立採算ではなく、東京女子医大病院本院の支配下にあります。そのトップが女子医大創立者一族の現理事長です。理事長は近年、大幅リストラや徹底したコストカットを強引に進めてきました。

ちなみに本院もここ5年は黒字決算を続けており、2020年度は約83億円の黒字でした。にもかかわらず全職員対象に夏のボーナスゼロを通告。約400人の看護師などが一斉に退職の意向を表明したことが大きくマスコミ報道されました。

さらに、昨年には医師100人以上が労働条件の不利益変更などで一斉に退職したことが国会の参議院厚生労働委員会でも議題にあがりました。このような本院の経営体質がそのまま八千代医療センターの現状にリンクしています。これこそが根本的原因なのです。

●「市民病院としての機能回復へ服部市長は尽力せよ」と三田議員が強く要求

八千代医療センターは一般の民間病院ではありません。八千代市と提携した医療機関である市民病院です。だから「八千代医療センター運営協議会」という協議機関があり、病院と市だけでなく医師会など各界の代表も参加しています。

本来、この協議会を通して病院運営での問題解決を図ることが本来の姿ですが、招集や運営などの権限は病院長に委任されており、とても協議会とは言えません。私は「対等の立場で議論するのが協議会だ。これでは御前会議でなないか」と追及。また、協議会に市の最高責任者である服部市長が出席していませんでした。

私は服部市長に「協議会に参加して対等の立場で議論せよ」「本院側との協議が必要だ。服部市長はリーダーシップを発揮して問題の解決をはかれ」と強く要求しました。

市民病院を「白い巨塔」にするな

議論が始まって、もう10年。5月に「市庁舎整備基本計画」改定版が公表。耐震化が急がれるなか、市民合意に基づく基本計画を!

●市民が置き去りにされ議論だけが繰り返された市庁舎整備計画

市庁舎の耐震不足に伴う市庁舎整備の方針をめぐり、ついに10年も経過してしまいました。その間、豊田市政で「耐震化工事」が検討され、その後には秋葉市政で「建て替え」に変更され、さらに服部市政でコロナ禍を理由とした「延期」が決定。その間に「基本計画」「基本設計」が策定されたものの、服部市政2期目でまたもや「基本計画・基本設計」の見直しを発表。5月に見直しによる「基本計画・改定版」が再度公表されました。

このように迷走を重ねながらの10年でした。結局は市民が置き去りにされ議論だけが繰り返されたのです。結果的に震災がなかったのは幸いでしたが、本来は佐倉市にように、早くて安い耐震化工事による迅速な対応で市民と職員の安全・安心を確保するべきでした。

●パブコメに108件の意見。市は市民の声に応えよ

計画見直しのポイントは、事業費縮小のために総床面積約18500㎡から現在と同等の約12100㎡に縮小した点です。市は改定版(素案)を公表して、3月15日~4月14日まで市民にパブコメを募集しました。パブコメでもっとも多い意見が、当初計画の総床面積が約3割縮小されることによる狭あい対策の疑問でした。

市は、狭あいについては「①ICTの活用、ペーパーレス化②会議室の効率化③支所の活用強化などでフォローできる」と答えていますが、具体的には説明できないのが現状です。しかも、パブコメ後に「市民の声を反映させた」ことで、「素案」から正式に公表された「改定版」では、市は「パブコメの意見7点を反映させた」と説明しましたが、内容は「素案」と変わっていなかったのです。

このようにパブコメを単なるアリバイ作りにしている市の態度は民意不在としか言いようがありません。市は市民の声に真摯に応えなければ、いま心配されている市の人口減少はさらに拡大されてしまうことでしょう。

市庁舎よ、どこへいく