2023年8月10日木曜日

市議会レポート(61)

遅くなりましたが6月議会の一般質問の報告です

~八千代医療センターで止まらぬ医師離職と休診問題~

6月議会で問題解決に向けて質疑と提案!

三田の追及により一歩前進。2科で新患受付が再開

かねてより報告しているように、八千代医療センターでは3年前から呼吸器内科、血液内科、糖尿病・内分泌代謝内科、リウマチ・膠原病内科、皮膚科の5科において常勤医師の不在による新規患者の受付中止や、転院を余儀なくされる従来患者が続出するなど、大きな問題になっていました。

この間の粘り強い取り組みによって、1月から皮膚科に1名、6月には糖尿病・内分泌代謝内科に2名の常勤医師が補充され、新規患者の受付が再開されました。1歩前進だとは思いますが、本来は皮膚科が2名、糖尿病・内分泌代謝内科が6名の人員体制なので、まだ通常診療体制とは言えません。また、他の3科はあいかわらず常勤医師不在であり、早期に通常診療体制に戻すために市が動くことを強く求めました。

八千代医療センターへの患者離れが拡大。深刻化する運営実態!

近年の八千代医療センターの運営実態は深刻です。平均病床稼働率は、平成29年の80.6%をピークに毎年低下し、令和4年では23.7%も低下しています。延べ外来患者数は、平成29年の26万1348人から令和4年では5万8664人も減少しています。とりわけ80%以上でないと採算ベースに乗らないとされている平均病床稼働率が令和2年度以降は80%を下回り続け、ついに令和4年度が50%台という深刻化する運営実態が明らかになっています。その結果、患者離れが拡大しているのです。

これらの原因は、歯止めがかからない医師や看護師の離職による5診療科の新規患者受け入れ中止や医師の離職、常勤医ではない登録医の増加などによる医療水準の低下にあり ます。

女子医大理事長への刑事告発を警察が正式に受理!

八千代医療センターの医師、看護師不足の原因は、本院である東京女子医大の理事長による徹底した営利主義経営と労働強化、強権支配が八千代医療センターにも影響が及んでいることは、これまでも指摘してきました。

しかも、昨年9月に「理事長による巨額の背任・横領」を東京女子医大OGらが刑事告発。去る3月27日に警察が正式に受理したとのマスコミ報道がありました。受理したということは、事件性があると認識されたわけで、今後の動向が注目されています。「八千代医療センターの経営母体のトップが罪に問われるかもしれないという緊急事態に市はどのような対応をするのか」と問うと、市は「今後とも動向の推移を注視して参りたい」と他人事です。しかし、これは八千代市の問題でもあるのです。

八千代医療センター運営協議会を真に機能させて早期解決を図れ!

八千代医療センターが一般民間病院と違うところは、市と病院が共同で運営する点です。ですから八千代医療センター運営協議会が設立されています。規程によると目的を「運営に八千代市民、地域医療機関関係者の意見を反映させること」とされています。

しかし、目的である八千代市民(患者)の意見が反映されているとは到底思えません。なにより3年にも及ぶ医師・看護師不足による休診問題について1度も協議会の正式議題になっていないことは異常です。原因はいつのまにか「議題は協議会の会長である医療センター病院長が決定する」こととなってしまっているからです。だから会長であるセンター病院長は自分の都合の悪いことを議題にしないのです。

八千代医療センター運営協議会を真に機能させて早期解決を図ることを強く求めました。また、千葉県知事に協力を求めることも提案いたしました。三田議員は問題解決まで徹底的に追及と問題提起を続けることを表明しました

~子ども送迎センターを今年度中に設置予定~

保育園送迎世帯も対象とした送迎センター設置で子育て支援拡充を!

対象は小規模保育事所を卒園した幼稚園入園の3歳児。それでいいのか!

八千代市は、待機児童が特に多い1歳児及び2歳児の定員を拡大するため,小規模保育事業所の整備等を行いましたが、3歳になったら卒園します。そこで、幼稚園通学を希望する世帯を対象に「子ども送迎センター」を9施設を設置する計画です。ただし、対象は小規模保育事業所を卒園して幼稚園に通学する3歳児以上を対象で、午前中の園バスが来るまでの間、午後の園バスで送られて保護者がお迎えに来るまでの間の預かりを行うというものです。

流山市のように保育園児を対象にした送迎支援も実施するべきだ!

子ども送迎支援という事業を考えるとき、送迎での負担軽減や待機児童対策が急務なのは幼稚園児のいる世帯ではなく、むしろ保育園児のいる世帯ではないでしょうか。だから、流山市では幼稚園児ではなく、1歳からの保育園児を対象にした送迎事業である「送迎保育ステーション」を駅前に展開して子育て支援に成果をあげています。

八千代市では約3600人の園児がいます。しかし、今回の対象が幼稚園入園を希望する約180人の小規模保育事業所卒園児としている点が問題だと指摘しました。子ども送迎センターの業務は文字どおり、子どもの送迎ですが、目的は子育て支援の拡充であり、それが少子化対策につながります。その行政を行う自治体を支持して将来的にも住み続ける市民の拡充が当該自治体の人口減少を抑制し、まちづくりを成功させるのです。子育て支援というなら流山市のように保育園児を対象にした送迎支援を実施することを強く提案しました。

~いまだに不明確な市庁舎整備計画~

未確定部分と今後の予算はどうなるのか!

予算については、見直された基本設計でも未確定部分については、まだ議論の必要性があります。また、設定された単価も物価や人件費により今後変動する可能性が高いと思われます。そうなると概算事業費105億7100万円は変動し、市民に分かりにくいものになってしまいます。

そこで、備品代や新庁舎への移転費用など概算事業費に含まれていない付帯費用についてどのような試算をしようとしているのか?さらに別館についてはいまだ用途についても言及されていないのはどういうことなのか。

ZEB化の位置づけを明確にせよ!

前回の基本設計と比較してコンパクト化とZEB化が今回の特徴的だと思いますが、とりわけZEB化については、省エネと将来的は創エネの相乗効果でランニングコストなどの削減を図ろうとしているようですが、位置づけが分かりにくくなっています。

基本計画や基本設計を読んでも分かりづらく、最近では、市民にとって一番目につく広報八千代6月1日号で2面使って基本設計を紹介していますが、「環境を育てるZEB庁舎の小見出しと「東西南北の開き方を最適化した高い外皮性を確保。竣工後も段階的に省エネ化を推進可能」というわずか3行の説明文。あれでは市民には何のことやら、よくわかりません。

今回の計画で50%の省エネルギーが確保されるのでZEB Readyは達成できるという認識のようですが、たとえばNealy ZEBをめざすというのなら、創エネによる再生エネルギー計画が必要です。そうなると、現基本設計で示されている屋上にあるひとつのソーラーパネルでは話になりません。今後

Nealy ZEBを目指すならば蓄エネについては、どう考えているのか。屋上設置には物理的に無理なので、別の設置スペースが必要になる点も指摘しました。

これらの質問については、いずれも「検討する」を繰り返すだけでした。市庁舎整備計画はまだまだ議論が必要です。

2023年8月8日火曜日

不肖・三田登がモノ申す!(156)

八千代医療センター問題解決に向けて千葉県知事へ申し入れを行いました

「市民が主役の市政を実現する会」は7月28日、「八千代医療センターが常勤医師・看護師を早期に増員し、市民・県民が安心して医療を受けられるよう行政指導を求める要望」を千葉県熊谷知事に申し入れました。申し入れ内容は次の4項目です。

1.新規患者受け入れを中止している3診療科をはじめ、すべての診療科が安定的に新規患者を受け入れ、既存の患者に転院・退院を求めないよう早期に常勤医師・看護師を確保すること。

2.経営陣による労働条件の一方的不利益変更の押し付けをやめさせ、医療従事者の勤務環境を改善すること。

3.「地域医療支援病院」、「救急救命センター」、「総合周産期医療センター」に相応しい医療体制を早期に確立すること。

4.東葛南部保健医療圏の病床不足解消のために、八千代医療センターの医療体制を早期に確立すること。

申し入れには「会」の櫻井代表、私、飯川英樹議員ら7名が参加し、県は健康福祉部医療整備課副課長らが対応しました。

まず会は、具体例をあげながら、いかに患者たちが困っているかを訴えました。また、その結果として、ここ数年で平均病床稼働率は80%以上稼働していないと採算ベースにのらないのに50%台にまで低下し、患者数も平成29年比で6万人も減少している現状について、東京女子大の経営、体質にあること。その中心にいるのが理事会を支配している理事長の営利主義運営にあること、さらには理事長が「背任・横領」で刑事告発されるなど、経緯と現状を説明しました。というのも、東京女子医大問題については国会でも質問されたほどなのに県側はこの問題について殆ど認識していないことが明らかになりました。

また、県側は「正式に病院からの相談がある状況ではない。関係機関から相談があれば応じていきたい。具体的に何か訴えて、それに対応するとかの段階ではない」とノンキな回答。「関係機関」とは市とか当該病院を意味しており、市民・県民の声は対象外という信じ難い県民不在の認識を示したのです。

さらには以前、医療センターでは残業代の未払いという労基法違反の事例があり、船橋の労基署から勧告を受けていることなどの問題についても「国の方が処理する事務だ」と「われ関せず」の態度。

もっとも気になる点は「市や病院から相談があれば応じる」という対応です。つまり、市民・県民である患者から相談があっても「当該」ではないから応じないということになります。県はどこに顔を向けているのか。一番困っているのは患者です。その一番大事なところに顔を向けようとしない県行政は大問題です。

また、市民の会としては、本来は熊谷知事に直接会って現状の認識の共有と今後の対応について話をするのが目的でした。そこで会は今回の件を知事に報告することを要請しました。当然のことです。しかし、担当者は応じず、健康福祉部でおさめようという態度でした。

このように、県の対応は不誠実な対応に終始し、まるで「県には関係ない」とでも言いたげな態度には参加した市民からも不満の声が噴出していました。

とはいえ、5月の服部八千代市長への署名提出と要請に続き、7月の県への要請は、八千代医療センター問題解決への市民の切実な声を届けたことにより、さらなる運動の発展に向けた取り組みとなりました。市民に会は今後、第2次署名運動の開始を予定しています。