2018年4月7日土曜日

なにやら四方山話(38)

~格差と貧困からの脱却を~
藤田孝典さんの講演を聞いてきました

 
夜間にもかかわらず会場には多くの参加者が。
講演する藤田さん。まだ35才の若さ。さらなる活躍が期待できます
藤田さんと。実は私とはフエイスブックつながり。
去る4月6日、千葉市民会館において、「反失業・反首切り・反合理化千葉県共闘会議」の主催で、「貧困世代への提言」をテーマに講演会があり、「下流老人」「貧困世代」などのベストセラー本で話題の藤田孝典さんの講演がありました。
 
藤田さんは聖学院大学准教授であり、「NPO・ほっとプラス」の代表理事としても活躍。机上ではなくホームレス巡回活動をしながら活動をしているだけに説得力があります。
 
主催側は「安倍政権は『働き方改革』と称して、労働者の思いと真逆の労働法制の改悪を目論んでいる。格差と貧困をなくして、人間らしく働き、生きていける社会の実現をめざそう」と挨拶。
 
藤田さんは「貧困世代への提言・社会の監獄に閉じ込められた若者たち」と題した講演。とても興味深い話ばかりでしたが、要約して印象的な部分だけ。

①日本の相対的貧困率は15.6%で、OECD加盟34か国で6番目に高い数値である。

②子どもの貧困率は13.9%で高水準。17才以下の子どもの6人に1人、300万人が貧困状態。

③ひとり親世帯は深刻で、相対的貧困率は50.8%。母子家庭に限ると82.7%が苦しい。2人に1人の子どもは貧困。

④「子どもの貧困対策の推進に関する法律」「生活困窮者自立支援法」は不十分。

⑤親と同居しなければ生きられない若者の増加(結婚もできない)。

⑥そもそも、貧困の原因は憲法25条(いまさら説明しません)の形骸化にある(国の責任)。

⑥は、実は冒頭での話。ここが最大ポイントであると思いました。藤田さんは著書の「貧困世代」の最終章で「社会構造を変えなければ貧困世代は決して救われない」と結論づけています。

要は「国の貧困」の問題なのだと思いました。日本は先進国であっても大事な部分で貧しいのだと。それを自己責任論や善意(たとえば子ども食堂の意義は大きいけれど)の問題に矮小化されてしまっていることが問題なのだと感じたのでした。

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