2021年9月24日金曜日

なにやら四方山話(70)

 ~関西生コン事件~

ゼネコン・検察・警察が一体となった組合つぶしを許すな!

「関西生コン事件」を取り上げた映画の第2弾である「棘2」が各地で上映活動が展開されています。かつて、杉浦弘子監督作品「棘~ひとの痛みは己の痛み。武建一~」として話題になり、その続編です。

去る9月23日には、千葉・京葉実行委員会の呼びかけで船橋市勤労市民センターホールにおいて上映会が開催され、コロナ禍にもかかわらず約160名の参加がありました。私も参加させていただきました。

さて、御存知の方も多いかと思いますが「関西生コン事件」とは、団交やストライキといった労働組合としては当然の活動をしていた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部にたいして、ゼネコンと検察・警察が一体となって組合つぶしを行った一連の事件です。

滋賀県警が2017年に組合員と生コン業者ら10人に「恐喝未遂容疑」をでっちあげて逮捕。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が1019年に11の刑事事件をでっちあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕したのです。

いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める活動など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。

組合の中心であった武健一委員長には、7月に懲役3年・執行猶予5年の不当判決が下されました。

余談ですが…。もう36年も昔のことですが、私がまだ若い頃、勤めていた中小企業で、労基法も守られていない劣悪な労働環境の改善を求めて労働組合を結成。私が委員長となりました。その時のスローガンが「会社は労基法を守れ」という極めて当然の要求でした。

組合の呼びかけに社員の過半数が組合に加入しましたが、結成通知を渡した翌日から露骨な組合つぶしが始まり、不当労働行為攻撃の連続。地域の労組仲間とともにストライキで対抗。ついに労働争議になって、裁判など、苦労した思い出があります。(いろいろあって今は市議をやってますが)

とりわけ70年代以降は大手労組も、官公労労組も労使(資)の馴れ合いになり、日本の労働運動は危機的状況となって久しいのですが、いまや、「当たり前の労働運動」をした組合は組合つぶしや、「反社」扱いになるのです。その先鋭化した事例が「関西生コン事件」です。労働者の当たり前の権利を守るためにも「関西生コン事件」を許してはならないと思うのです。


0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。