2019年12月24日火曜日

なにやら四方山話(60)

「ひきこもりを考える市民のつどい」が開催されました
会場は参加者で満員でした

去る12月22日、八千代市生涯学習プラザにおいて、「ひきこもりを考える市民のつどい」(主催:八千代〈ひきこもり〉と共に生きる会)が開催され、夜間開催と雨中にもかかわらず、65名の参加がありました。

私が事務局長を勤めている「市民が主役の市政を実現する会」も協力団体として取り組みました。

さて、2018年の内閣府調査では、40歳から64歳までの中高年ひきこもりは、推計値ではあるが、61.3万人が存在しており、15~64歳までのひきこもりの全国推計の数は115万人。大きな社会問題になっています。

集いでは、貧困問題などに取り組み、ベストセラー「下流老人」で著名な、藤田孝典氏(聖学院大学・准教授)の講演がありました。

「中高年のひきこもり~社会問題を背負わされた人たち~」を演題に、①中高年ひきこもりとは何か②中高年ひきこもりの実態③中高年ひきこもりは何故うまれるのか④中高年ひきこもりにどう向き合えばいいのか⑤ひきこもり当事者が考える支援のあり方⑥ひきこもりは社会全体の問題。

などが語られ、とりわけ、「ひきこもりという現象は、この社会が抱える問題であり、社会が本人たちに問題を背負わせてしまっている」という現状認識と、「社会構造の変化が必要だと気づかなければならなかった」という指摘は、ひきこもり問題の本質を捉えていました。

「ひきこもり」をテーマにした今回の取り組みは、八千代市の市民団体としては初めてのことで、その意義は大きいと考えています。
講演する藤田さん
〈講演・要旨〉

①中高年ひきこもりとは何か
・推計値ではあるが、61.3万人とされており、15~64歳のひきこもりは、115万人である。
・ひきこもりの半数以上が40歳以上であると報告されており、若年層よりも中高年層のほうが数としては多い。
・もはや、ひきこもりは若者特有の問題ではなく高齢者家族の問題であることが明らかに。

②中高年ひきこもりの実態
・場面緘黙(かんもく)症で、職場の人間関係に苦労し、精神科での不適切な対応に苦慮した41歳の女性
・大学を出て就職した後、半年で離職した49歳の男性
・小学5年生で、性差別によるいじめで不登校になった40歳(体は男性、性自認はXジェンダー)
・高校2年で不登校。その後にうつ病、強迫性障害が悪化した40歳の女性

③中高年ひきこもりは何故うまれるのか
・女性のひきこもり問題とジェンダー、性的マイノリティ
・労働問題との関連~パワハラ、リストラ、ブラック企業
・不登校と中高年ひきこもりの関連
・専門相談機関の不十分なケア制度
・発達障害への対応の不足
・親や保護者からの影響、関係性の悪化

④中高年ひきこもりにどう向き合えばいいのか
・労働災害補償の申請を

⑤ひきこもり当事者が考える支援のあり方について
・アプローチ方法
・仕事関連
・相談支援機関・医療機関の充実
・啓発活動
・長期的な支援
・家族や周囲への支援

⑥ひきこもりは社会全体の問題
・ひきこもりという現象は、この社会が抱える問題であり、社会が本人たちに問題を背負わせてしまっている。
・本来であれば、社会的ひきこもりという指摘があった時点で、社会構造の変化が必要だと気づかなければならなかったのではないか。
挨拶する私。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。