2015年4月4日土曜日

不肖・三田登がモノ申す!⑳

~残業代ゼロ法案~
過労死を推し進める安倍内閣の愚行

4月3日に安倍内閣は「残業代ゼロ」にする労働基準法改悪案を閣議決定し、国会に提出しました。

昨年5月にも、産業競争力会議(議長・安倍首相)が同制度導入方針を決定した時に、私はブログで批判しました。政府は「成長戦略の目玉(4月4日:朝日新聞)」としていますが、冗談ではありません。長年にわたり守られてきた法律を変え、労働者の過労死を踏み台にした成長など許されるはずがありません。

今は対象が「年収1,075万円以上の働き手」などとされていますが、改悪案には、労使で決めた時間より長く働いても追加の残業代が出ない「裁量労働制」の拡大も含まれています。

さっそく経団連が「対象を年収400万円以上」とすることを求めています。年収400万円は労働者の平均額ですから、ようするに今回の法案は「これからは全社員に残業代を払わずに夜中までコキ使う。休日返上だ。過労死しても自己責任だ。」という企業側の身勝手な理屈が合法化される道筋になるということではないでしょうか。

1886年5月1日、シカゴの労働者が中心になって「1日8時間労働制」を求めて統一ストライキで戦って勝ち取り、労働者の普遍的・国際的権利となりました。メーデーはそれが起源となっていることは有名な話です。

とは言え、日本でも9割以上を占める中小企業では、労働基準法も守られず、低賃金だけではなく、残業代未払いや有休も使えなかったり、また、大手企業でもサービス残業が強要されるなど、多くの過酷な実態があります。それが合法化されるのですから、企業は更に追いうちをかけてきます。

かつて中小労組で長く委員長を経験してきた私は、実感も含めて今回の安倍政権の動きには危機感を抱きます。「残業代ゼロ法案」がなし崩し的に拡大され、健康破壊、低賃金化、ワーキングプワ拡大などを引き起こし、結果として内需は低下していきます。景気は改善されません。「成長」するのは企業だけ。こんな悪法は愚かの極みです。断じて許してはなりません。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。