2022年3月21日月曜日

不肖・三田登がモノ申す!(148)

~「抑圧・戦争・コロナ」がキーワードの国際情勢~

プーチンのウクライナ軍事侵攻を糾弾する!

廃墟と化したウクライナ都市

近年の国際政治情勢は、とりわけ「抑圧・戦争・コロナ」がキーワードではないでしょうか。まずは香港情勢。香港で2014年9月の民主化運動(雨傘革命)は、中国政府の一国二制度政策の下で、2017年香港特別行政区行政長官選挙から普通選挙が導入される予定を抑圧。それに学生や市民が抗議して起きた運動でした。

さらに、2019年3月から「逃亡犯条例改正案の完全撤回」や「普通選挙の実現」などを含む五つの目標「五大要求」の達成を目的に運動が高揚しましたが、習近平・中国政府の香港国家安全維持法による言論弾圧の激化により、民主化運動活動家や民主派メディアへの徹底的な弾圧で民主化運動は壊滅的な状況に追い込まれています。

また、やはり日本に近いミャンマー情勢も軍部によって民主的政治が弾圧されてり、背景には中国政府の影がちらついています。2020年11月8日に執行されたミャンマー連邦議会の総選挙では、与党・国民民主連盟(NLD)が改選議席476議席のうち8割以上を占めましたが、敗北を喫した国軍と連邦団結発展党(USDP)は「総選挙に不正があった」とクーデターを行い、アウンサンスーチー氏は拘束されました。事実上壊滅的打撃を受けた国民民主連盟(NLD)は「国民統一政府」(NUG)の樹立を発表していますが、国軍との厳しい闘いは今後も続いています。

プーチンを止めるのは誰か。

そして、ここにきて世界に衝撃を与えたのがプーチン率いるロシアによる、ウクライナへの軍事侵攻です。国連によると、2月24日の軍事侵攻が始まってからの2週間で、ウクライナ国外に避難した人は、230万人を超えたといいます。一部に「プーチンは正気ではない」などの論調もあります。

たしかに許し難い暴挙に間違いありませんが、その背景には「アメリカを中心とした大西洋条約機構(NATO)によるロシア包囲網が築かれたことへの不満があった」とも指摘されています。だからプーチンの目的は「NATOの東方拡大の阻止」に他なりません。だからといって、今回のような暴挙が許されるはずもありません。怒りをもって糾弾するものです。

プーチンは「ロシア離れを進めようとしているウクライナ指導はネオナチ」と規定して「ファシズムからウクライナ国民を解放する」と強弁しました。かつて日本が「大東亜共栄圏」をでっちあげて東南アジアを侵略したように、あるいはヒトラーやスターリンによる血の支配と大弾圧のそれと同様です。さらにはウクライナの原発基地の攻撃と占拠を展開。かつてのチェルノブイリ原発事故と比較にならない危機に直面しています。

ここにきて、ロシアへの経済制裁を背景にした経済的影響が世界的に出ています。2月24日の日本の株式相場は売り先行の展開となり、日経平均株価は2020年11月以来の2万6000円割れ。また、ロシアは世界第3位の原油国であり、欧州は天然ガス輸入の約4割をロシアに依存。パラジウムも同様です。また、穀物価格も大きな影響が。ロシア、ウクライナはともに小麦、トウモロコシなどの主要生産国です。小麦に関しては、両国で世界全体の輸出の約3割を占めます。ガソリン、電気、ガス、小麦などの値上がりは日本も含めた世界経済に重くのしかかっています。

このほかにも、北朝鮮、イラク、シリア、アフガニスタン、新疆ウイグル自治区、ロヒンギャ難民など、枚挙にいとまがありません。

また、3年目に突入したコロナ感染も世界経済に大きく影響を与え続けています。

世界での累計感染者数は3月12日現在で、約4億5200万人、死者約602万7000人にのぼり、感染予防対策やワクチン接種が推進されていますが、いまだに収束のめどはついていません。


 

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