2014年2月15日土曜日

不肖・三田登がモノ申す!⑦

立憲主義を否定する安倍首相の大罪
かつて私は少年野球の監督をやっていた時代がありました。野球大会の時は他チームの試合で審判を任命される場合がありますが、未熟者だったのでジャッジに抗議があった時には苦慮したものです。ましてやプロの試合ともなればシビアさはその比ではありません。昔の話ですが、あるプロ野球試合で審判のジャッジをめぐり揉めた際に、業を煮やした某審判が思わず「俺がルールブックだ!」と言い放ったというのは有名な話です。

さて、これを政治家が言ったら大問題になります。それをやったのが我が宰相、安倍普三です。2月12日の衆院予算委員会で「集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更」をめぐって「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁に私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と発言。つまり「俺がルールブック(憲法)だ!」と言い放ったのです。翌日の東京新聞などが「首相が立憲主義を否定」と批判したのは当然でした。言うまでもなく「立憲主義」とは憲法によって国家権力の行動を制約するもので、日本国憲法の根幹をなすものです。それを、たかが一首相が好き勝手にできると考えるのは傲慢を通りすぎて独裁者の所業とも言えるでしょう。
 

さすがに身内の自民党からも総務会で「三権分立を崩す」「選挙で勝てば憲法を拡大解釈できると理解できる。そのときどきの政権が解釈を変更できることになるのは問題だ」との意見が出たとのこと。なかなか良いことを言っているとは思いますが、上っ面の言葉だけでは意味がありません。また、政権与党の「ブレーキ役」を自認している公明党も「違和感はない」(太田国交相)と公言しています。

安倍首相は「特定秘密保護法」「原発再稼働」などを始め、「日本の戦争参加への道筋づくり」を自らの命題にして、世論操作を強行しています。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」に有識者を招集。全員が集団的自衛権の行使容認派でしたが、安倍首相は「幅広い人が参加している」と居直りました。また、NHKの人事も「安倍カラー」一色です。「従軍慰安婦はどこの国にもあった」の暴言を吐いた籾井勝人NHK会長。経営委員でも「南京大虐殺はなかった」という百田直樹氏。「女性の一番大切な仕事は子供を産み育てること」。朝日新聞社に乗り込み拳銃自殺した右翼を「神(つまり天皇)にその死を捧げた」と称賛した長谷川三千子氏など。もはや何をかいわんやです。

昔、家庭教師だった自民党の平沢勝栄氏から勉強ができずに定規ではたかれた普三少年は、かつての劣等感から今や「解放」され、国会の議席数を背景に「自分は何をやっても許される」とカン違いしているようです。「おじいちゃん(岸信介)、ボクを褒めてよ」と小躍りしているのかもしれません。何とも無邪気なものですが、少年ではなく一国の宰相ともなれば大罪となることを知るべきです。

さて、一連の経緯において民主党を始めとした野党勢力の無力さにはタメ息が出ます。唯一まともな発言をしている日本共産党ではありますが、赤旗などで論陣を張っている「自共対決の時代」は、いささか力み過ぎの感があります。

議会での翼賛会化は戦争への「いつか来た道」への道筋を作ります。私たちの子供や孫の未来のために「この国は、やっぱり、おかしい」という声を結集、拡大して国民的大運動をいかに具体化するかが問われていると思うのです。

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